お殿様との出会い 第弍話 後編 信長様の元に辿り着くまで

如月十日。

 

この日は今でも覚えている。

初めて武将隊に会ってみたい、と思って名古屋城に赴いた日。

 

何の事前情報も入れずにお城へ向かった。

この日は平日で、演武のない普通のおもてなし日だった。

私の家臣としての道はここから始まった。

最初にお会いしたのは徳川家康様。

言わずもがな、名古屋城の築城者だ。

 

この時お供をしていた陣笠さんから瓦版を一つ頂いた。

蒼空の下、名城の天守閣をバックに十人がそれぞれの面持ちでわたしを見据えていた。

 

−かっこいい。これが名古屋おもてなし武将隊か。

 その瓦版には武将隊が日々行っている様々な活動、メンバーの紹介、三英傑所縁の史跡等が載っていた。

 

 −ラジオもやってるのか、この人たち。

 

そのラジオは以前聴いたことがあったが、

本格的に聴くようになったのはこの数日後のこと。

 

そして武将隊を見に名古屋城へ行ってから八日後の如月十八日。

遂に私は辿り着いた。

あの黒いマントを纏った御仁に。

 

然し乍ら、その人と対面するまでにはまだ一月という時間を要した…。